#19

N-BOXに乗って
N-BOX, morning mist blue metallic

読了時間:約10〜15分

 年下の恋人が車を買い替えたというので、何を買ったのかと訊いてみたら、それはホンダのNーBOXだった。
「あ、軽、買ったんだ」
 べつに責めるつもりはなかったが、三十三歳のいかつい土木作業員の独身男にしては珍しい選択だな、と感じたのがそのまま出てしまったらしい。
「だってでかい車、金かかるし」
 彼は言い訳をするみたいに、ちょっと拗ねた口調で言った。車にはあまり興味がないらしく、販売店に勤める知り合いにすすめられるまま即決でローンを組んだという。
「よかったね。前の車、ボロかったもんね」
「うん、でも思ったよりいい値段で買い取ってくれたんだよ。だからナビもつけてもらった」
 電話の向こうの彼は気を取り直したらしく、
「日曜日、納車なんだよね」
 と声を弾ませた。
「で、何色?」
「モーニングミストブルー・メタリック」
「ごめん全然わかんない」
「水色みたいな、うん、水色だね」
「ああ」
 ああ、と声が漏れたのは、彼が「NーBOXを買った」と言った瞬間から、私の胸につかえていた、もやもやしたものの正体がはっきりしたからだ。
 NーBOX、そう、NーBOX。しかも水色。
「ミホさん、日曜日、時間ある?」
「どうだったかな」
「ドライブに付き合って、とか言わないから、見るだけ見に来てよ」
 彼は、私が車に乗るのが苦手なことを知っている。車の中に長時間いると、籠もった空気やシートの匂いで気分が悪くなる(同じ理由でタクシーも苦手である)。しかも助手席にただ座っているだけというのは、ひどく退屈だ。
「うーん、日曜はちょっと。荷物届くし」
「それ終わってからでいいから。夕方でいいからさ」
「うん、じゃあ考えとくよ」
 曖昧な返事をして通話を終え、ふと部屋の窓の外を見る。モーニングミストブルーというのは、こんな感じだろうか。私は昔付き合っていた男のことを、朝の水色の空の向こうに思い出した。
 
 ◆
 
 あれは、八年前か、九年前か。
 二十代の半ばだった私は、東京の実家を離れ、ひとりで浜松に住んでいた。
 二年間の支社勤務。本社のある東京から、若くて独身、という理由だけで飛ばされたのだ。
 とはいえ期間はあらかじめ決まっていたし、その後また本社に戻してもらう約束もしていたから、ただの欠員補充の異動だとしても、会社の人事に不満はなかった。
 ただ、転勤先に都合よく友達がいるなんてことは滅多にないので、プライベートの時間のさびしさだけ、少しばかり持てあましていた。
 
 最初の年の冬、カイトという名の同い年の男と、出会い系サイトで知り合った。
 見た目はまあまあだったし、プロフィールも真面目に丁寧に書いていたし、悪い人ではなさそうだったので、誘いに乗って何度か食事をした。そして、どうせこの町にいるのはあと一年とちょっとだし、その間さびしくなければいいや、くらいの軽い気持ち付き合い始めた。
 
 カイトはジュビロ磐田が大好きな男だった。
 春になってシーズンが始まったら一緒にヤマハスタジアム行こう、と何度も誘われた。
「いやあ、私サッカー興味ないし」
「それが面白いんだって。トラックないから、ピッチとスタンド近いし、全体もよく見れるし、あそこは最高のスタジアムだと思うよ」
「いや、そういう専門的なこと言われてもわかんないから。誰か別の人誘ってよ」
 私は、自分の興味のないものを押しつけられるのが苦手だった。好きな人の好きなものを好きになるのが恋愛の醍醐味だ、なんてしたり顔で言う子がいるけれど、私はちっともそうは思わない。
「春になったらまた誘うよ」
「えー、いいよ誘わないで」
 
 カイトと付き合いはじめて、やっぱり男がいるっていいな、と感じたのは、車という移動手段を手に入れたことだった。
 東京で生まれ育った私には、もともと車を運転するという習慣がない。電車とバスと地下鉄があればどこへでも行ける都内とは違って、地方では車がないとひどく不便だということを、実際に東京を離れて思い知った。
 車に乗ることは好きではない。でも、買い物やちょっとした外出で必要なとき、カイトが愛車のVWゴルフを出してくれるのはありがたかった。2リットルの水はケースごと買えるし、会社の飲み会の後の終電の時間も気にしなくて済む。思い立ったらすぐに旅行もできる。部屋から日帰り温泉にも直行できる。カイトは気を使って、私を助手席に乗せるために、わざわざ車内用の消臭スプレーを買ってきてくれた。
 
「ねえ、やばいって。見てこれ」
 彼に見せられたのが雑誌だったか、パソコンの画面だったか覚えていないが、彼がやたらと興奮していたことだけははっきりと覚えている。「NーBOX」という名前の新しい車が、ホンダから発売された、という記事だった。
「それがどうかしたの?」
「NーBOXだよ、NーBOX」
「エヌボックス?」
「次、車買い替えるときこれにすっかなあ。でもなあ、俺、こういう趣味じゃないんだよなあ。しかも軽だしなあ。いくらなんでもコンパクト過ぎる、ってか、元々すげえコンパクトなんだけどさ、NーBOXは。やべ、コンセプトまで合ってんじゃん。たはは」
 カイトは笑っていたが、何が面白いのか、どういう意味の冗談なのか、私にはさっぱりわからなかった。
 聞けば、「NーBOX」というのは、ジュビロが好きなら誰もが食いつく特別な言葉なのだそうだ。
「俺が中学んとき、ジュビロの黄金時代だったんだけど、そんときの中盤のシステムが『NーBOX』だったわけよ」
「はあ」
「藤田だろ、奥だろ、服部がいて、福西。で、真ん中に名波だよ。もうさ、むちゃくちゃコンパクトで、しかもポジションチェンジとかすげえの。だってサイドに選手いないんだよ。ありえないでしょ。なのに勝っちゃうんだよ。もう、最高だったね」
 何が最高なのか、私には理解不能だった。
「じゃあそれ、買えば?」
「買わないよ。俺、ゴルフあるし。あ、ミホちゃん免許とってこれ買いなよ。軽だし、女の子にちょうどいいじゃん」
「買わないよ。再来年、私、東京戻るもん」
 言い返すと、カイトは急にしょぼんとして、またそういうこと言うし、とため息を吐いた。付き合い始めた頃は、カイトも半分は遊びのつもりだろうと思っていたけれど、どうやらそうではなかったらしい。
「だって本当のことだもん。二年で東京に戻してもらう約束だもん」
「俺、ミホちゃんと別れたくないよ。遠距離がダメなら、俺も東京ついていくよ」
 
 ◇
 
 そんなこんなで知り合って二ヶ月、三ヶ月と経つうちに、私とカイトの関係は、いつのまにか普通の男女のカップルのそれに変わっていった。私の部屋の一角にはカイトの着替えやサッカー雑誌を置いておく用のコーナーができて、食器棚の茶碗やグラスも増えていった。彼の部屋にも同じように私のものが増えていった。
 
 東京よりもひと足早く、春の息吹を感じられる時期になると、いよいよJリーグの開幕が近づき、カイトはそわそわし始めた。
「ねえ、一緒にヤマハスタジアム行こうよ」
「えー、行かない」
 男と一緒にいるのは好きだけれど、迎合はしたくない。私はサッカーを見る暇があったら(しかもそれは二時間近くかかる!)、好きな音楽をたくさん聴いていたいし、好きな海外ドラマをたっぷり見ていたい。同じお金を払うなら、スタジアムに通うよりヨガ教室か整体に通いたい。ライブを聴きに行くのもいい。
 好きな男を喜ばせるために髪型を変えたり、ファッションを変えたり、趣味や性癖を合わせたりする、そんな女たちを、当時の私は軽蔑していた。
 
 それでも一度だけ、彼の押しに負けて試合についていったことがあった。
 六月生まれの彼の誕生日のプレゼントに何が欲しいかと訊ねたら、カイトはこう言ったのだ。
「何も要らないから、一緒にジュビロを応援して。たった九十分だから。九十分我慢して隣に座っていてくれたらそれでいいから」
 そこまでして私を引き込みたいのかと、さすがに心を動かされて、スタジアムまで足を運んでみた。
 彼にしてみれば、一度、生でサッカーを観戦する楽しさを味わえば、きっと私も好きになるに違いないと考えたのだろう。
 しかしあいにく、彼の思惑は外れた。
 試合のあったその夜は、雨だった。九十分間(いや正確には二時間近く)、私は薄い半透明のポンチョを着せられて雨ざらしとなった。髪もメイクも崩れ、買ったばかりのミュールは靴擦れを起こし、着せられた水色のユニフォームは化繊の素材が肌に張りついて終始、不快だった。トイレの長蛇の列を我慢しているうちに膀胱炎になりそうだった。そして試合も完敗だった。
 帰りのゴルフの車内で、私はずっと不機嫌だった。雨の中の車の匂いが気持ち悪かった。
「いやー、わかるよ、その気持ち。前半に決められるところで決めときゃさ、違った展開だったと思うよ」
「いや、そういうことじゃないから」
「大丈夫、夏の晴れた日にビール飲みながら見ると最高だから」
「だからもう行かないって」
 
 男と女は、たとえ一緒になったとしても、同じものを見る必要なんてない。私はそう思っていた。
 私の母は、昔から、なんでもかんでも、男の言いなりになるタイプの、それが女の生きる道と考える種類の女だった。
 食卓には父が食べたいものを用意し、旅行は父が行きたいと言った場所を手配し、理屈なんてなくても家長が決めたことを平気で子どもに押しつける、そういう人だった。父が巨人ファンだから、母も巨人ファン。野球のことなんか何も知らないくせに、勝ったとか負けたとかで一喜一憂する母のことを、私はずっと軽蔑していた。こんな弱い女にはなりたくないと思いながら育った。
 だから私は、巨人ファンの母みたいな、ジュビロサポの私、にはなりたくない。
 
 それ以降、カイトはさすがに私をサッカーに誘わなくなった。
 かわりに、幼馴染みの男友達と一緒にジュビロの試合に通うようになった。
 山根くんというその友達は、小学校からの地元の仲間で、カイトとは高校二年までサッカー部で一緒だったそうだ。紹介されて、二、三度、居酒屋でお酒を飲んだ。
「まあ、女の子にスポーツ観戦押しつけるのはよくないよね」
「でしょう、山根くん、わかってる!」
「だから俺もう、山根と一緒に行くことにしたから。ごめんね、ミホちゃん。俺、しつこくて」
「ほんとしつこかった。あー、でもほんと山根くんが登場してくれて助かるー」
「まあ、俺も昔からジュビロ好きなんで。鹿島との二強時代からハマって」
「な、NーBOXまじ最高だったよな」
「しかもあんとき、ツートップが高原と中山だからね。キーパー、ヴァン・ズアム」
「そうそう、ヴァン・ズアム! 俺、あいつ好きだったわ。あと大岩ね。まこっちゃんも」
「大岩、まこっちゃん、秀人の三枚ね」
 ふたりがプロのサッカー選手のことをまるで同級生みたいに図々しく語る横で、私は安心して酒を飲んだ。これでもうしつこくサッカーに誘われなくて済む。あー、よかった。
 
 ◇
 
 ジュビロに興味はなかったけれど、それとは関係なく、私はカイトのことが好きだった。
 夏を過ぎて、いよいよ浜松支社での仕事も残り半年を切ると、だんだんせつなさが募るようになり、本当にカイトが東京までついてきてくれたら、なんて考えるようになった。
 彼の仕事は広告の営業だから、同じような働き口は東京にもたくさんあるはずだった。
 本社に戻っても実家に帰らず、どこかに部屋を借りよう。カイトの仕事が見つかるまでは私の給料だけでもなんとかやっていけるはずだ。ヤマハスタジアムには通えなくなるけれど、きっと彼はそれよりも私との新しい生活を選んでくれる。いろいろと思いを巡らした。
 でも結局、そうはならなかった。
 
 秋の週末、私はショッピングモールにひとりで買い物に出かけた。その日はジュビロのホームゲームがあったから、カイトに車を出してもらうわけにはいかず、自転車で行った。
 秋冬物の服を買い、カフェで休憩して、さてそろそろ帰ろうと腰を上げたときだった。店の中で、コーヒー片手に席を探す山根くんと目が合った。
「あれ?」
 驚いたのは私よりも山根くんの方で、危うくコーヒーを床にぶちまけるところだった。
「山根くん、今日、カイトと試合見に行ってるはずじゃないの」
「や、ていうか、いや、そうだっけ」
 動転した山根くんの様子に、私はただならぬ予感がした。
「ちょっと、どういうこと?」
「……。うー、まじかー」
「まじかーじゃなくてちゃんと話して」
 
 カイトは、山根くんとふたりで試合を見に行くと私に嘘をつき、スタジアムには私の知らない女と一緒に行っている。山根くんはそのアリバイ作りに荷担していただけで、実際には一度もスタジアムに行っていない。山根くんのしどろもどろの説明を要約するとそういうことだった。
「その女ってのは、どういう女?」
「……」
「浮気してるってこと?」
「……俺が言ったって言わないでくれる?」
「言わないから」
 にじり寄ると山根くんは白状した。
 その女はカイトがネットで知り合ったジュビロサポの女で、もう二ヶ月も前からそういう関係なのだという。そういう関係というのは、試合の後ふたりでホテルに行っちゃうような関係、ということだ。
「まじむかつくんだけど」
「でもさ……いや、いいや」
「何? 言って。私が悪いの?」
「そうじゃないけど。カイト、本当はミホちゃんと一緒にサッカー見たかったんだよ。そういう人とさ、一緒にいたいんだよ」
「私にサッカー好きになれってこと?」
「そこまでは言わないけど、デートだと思って付き合うくらいはできるじゃん」
「でも好きでもないこと、したくないもん」
「気持ちはわかるけどさ」
「付き合ったら相手の好きなもの好きにならなきゃいけないの? それが普通だって言いたいの?」
 気づいたら私は大きな声を出していた。
「そうじゃないよ。そうじゃないけど……、あいつはあいつで、さびしかったんだよ」
 
 次のホームゲームの週末、私はヤマハスタジアムまで足を運んだ。
 そして試合後、いつもカイトが出入りしているというゲートの近くに身を潜めて待ち伏せした。たくさんのサポーターに混じって、水色の揃いのシャツを着たカイトと女がにやけた顔でしゃべりながら(どうやら試合に勝ったらしい)出てくるのを待ち、私はふたりの後をつけた。
 カイトの隣にいるのは、目立たない、地味な女だった。背が低く、スタイルもいまいちだった。安っぽいデニムのスカートをはいていた。あんな女に私が負けるわけがない、と思った。
 いつ声をかけてやろうか。証拠写真でも押さえておくか。それとも何も見なかったことにしようか、ふたりの背中を睨みつけながら、いろいろと考えているうちに、ふたりは駐車場に入っていった。
 私は先回りしようと思いついて、カイトのVWゴルフを探した。でもなかった。と、そのとき並んで歩いていたふたりが、白い軽自動車の前で左右に分かれ、女が運転席に、カイトが助手席に乗り込んだ。私は息をのんだ。
 それはホンダのNーBOXだった。
 
 ◇
 
 浮気に気づいたことを、私はカイトに言わなかった。
 クリスマスまで付き合って、仕事納めの夜に彼をファミレスに呼び出し、そこで別れを切り出した。
「え、なんで?」
 カイトは驚いていた。
「どうしてこんなタイミングで?」
「私、東京戻るでしょ。どうせ別れるなら早いほうがいいと思って」
「え、でもそれってまだ先じゃん」
「カイト、東京までついてきてくれるの?」
「……」
 彼が浮気していると知りながら、私がイブの夜をカイトと一緒に過ごしたのは、彼のことが好きだからというより、あの女に、幸福な時間を与えたくなかったからだ。
 好きなものを共有できるカップルは、さぞかし幸せだろう。
 スタジアムの近くの駐車場の白のNーBOXにふたりが乗り込むのを見たとき、私は、負けた、と思った。車の中でサッカーの話に夢中になっているカイトの顔は、私の見たことのない、楽しそうな顔をしていた。
 
 ◆
 
 日曜日。
 受け取り予定だった荷物の配達日をネットで変更し、午前中から私は電車を乗り継いで、東京の郊外にある恋人の部屋に出かけた。
 アパートの前にたどり着くと、駐車スペースにその車はあった。
 ジュビロ色のNーBOX。
 昔のモデルとは表情が少し違う。車のまわりをぐるりと一周していると、部屋から彼が出てきた。
「こんな早く来てくれると思わなかったよ」
 彼とは友達の紹介で知り合って二年。月に二、三度会う程度の、穏やかな付き合いがここまでずっと続いている。
「お祓いとか行かなくていいの?」
「来週の休みにひとりで行くよ」
 彼は手に、CDのケースを数枚持っていた。
「iPhoneに入れとこうと思ったんだけど、時間なくて。もしミホさんが乗ってくれるなら、と思って、Amazonで買ったんだ。確かこれ、好きだったよね?」
 それは私が好きな、トム・ミッシュとマック・デマルコである。彼は洋楽なんて普段、全然聴かないくせに。CDなんて、Jポップしか持ってないくせに。
 ドライブは、あまり好きじゃない。
 でも。わがままを押し通して生きていけるほど、きっと私は強くない。今はそばにいてくれる彼だけど、いつまでもそうとは限らない。
「ねえ、じゃあドライブしようよ」
「え、まじで? いいの?」
「何か美味しいもの食べに行こう。新車買ったお祝いにご馳走してあげる」
 彼が嬉しそうに頬笑む。私の好きな音楽を、彼は気に入ってくれるだろうか。
 私は自分から助手席のドアに手をかけた。

FOOTBALL SHORT NOVELS COLLECTION :
FOOTBALL AND LOVE SONG
Written by Masashi Fujita

memo

車を運転していて、前を走る車がホンダのNーBOXである度に、あるいは新聞の折り込みにNーBOXのチラシが挟まれているのを目にする度に、あ、ジュビロ、と思う人はきっと少なくないはず。そんな話を書いてみたくて、ヤマハスタジアムに行ったことは一度もないのだけれど、書いてみました。不自然なところがあったらごめんなさい。応援していたわけではないのに、スタメン全員を言えるチームというのは数少なくて、そのうちのひとつがNーBOX時代のジュビロ磐田です。ヴァン・ズアム、大岩、田中誠、鈴木秀人、服部、福西、名波、奥、藤田、中山と高原。並べただけで、いいチームだなあ、とワクワクします。サイドを捨てるサッカーというのも、滅多にお目にかかれない貴重なもの。ちなみにジュビロのNーBOXは2001年、ホンダのNーBOXの発売開始は2011年です。