#22

美しきインヴィンシブルズへの憧憬
Longing for The Invincibles

読了時間:約10〜15分

 憧れていた美大に現役で合格したはいいものの、最初の数ヶ月で自分の才能の乏しさを痛感した僕は、二年に上がると早々に大学生活の目標を就職活動に切り替え、誰よりも早くリクルートスーツを買った。
 美大の看板が就職で有利に働くことなんてほとんどない。一芸に秀でる者をピンポイントで求める会社ならばともかく、普通の、いわゆる一般企業の総合職に、「かつて芸術を志した」タイプの人間はそもそもお門違いなのである。
 それでも僕が希望の文具メーカーに入社できたのは、最終面接で「これからのデザイン文具の可能性」について熱く語ったことと、やはり「美大出身ならそれを実現できる資質があるだろう」と勘違いしてもらえたことが大きいと思う。二十一世紀がまだはじまったばかりの頃。人々は身の回りのあらゆるものに、ただそこに在るだけでなく、お洒落に、美しく在ることを求めるようになった。
 
「で、ここに書いてある、アーセナル、っていうのは何ですか」
 最終面接のとき、初老の面接官は僕の履歴書に顔を近づけてメガネをずり上げた。
「イングランドにあるサッカーのチームです。ロンドン北部がホームタウンで、今、最も美しくデザインされたサッカーに挑戦しているチームです」
「ふん、じゃあ君は芸術やインテリアだけでなくスポーツにも興味があるんだね」
「はい。美しさというものの本質は、人間が生み出す文化的な現象のすべてに通じていると考えています。もちろん、御社の  」
 正直に言えば、僕は芸術なんて好きではなかった。芸術は重たい。僕はもっと軽薄な、ただ単に見た目の美しいものが好きなだけなのだ。
 名のあるデザイナーによって作られたお洒落な雑貨や家具、家電。そういうものが売れる時代に、文房具だってスタイリングされるべきだと、僕は新鋭の戦術家監督が頭のカタいオーナーを説得するようなつもりで身振り手振りを交え大袈裟に説明した。前の晩に何度も練習したとおりに。
 
 ◆
 
 僕がアーセナルのサッカーを初めて見たのは、大学二年の冬だった。
 単位に必要なレポートを丸写しさせてもらうために、友人の部屋に夜中おしかけ、そこでイングランドのサッカーと出会った。
 屈強な肉体だけが取り柄の格下のチームを流れるようなパスワークでいなして勝つ、赤と白のめでたいカラーリングのチーム。サッカーといえば日本代表とJリーグしか知らない僕にとって、それまで見たことのないサッカーがそこにあった。
「何これ、サッカーってこんなだったっけ?」
「いや、アーセナルは特別だよ」
「選手、みんな超上手くない?」
「アンリとベルカンプとピレスだからね、そりゃ超上手いよ」
「しかも何ていうか、効率がいい」
「そう、そこなんだよ」
 その美しさは、当時流行しはじめていたデザイン家電のフォルムと機能美を思わせた。実用性と合理性は、突き詰めるとシンプルな美に行き着く。それはずっと僕が頭の中で考えていたことで、芸術とは遠く離れたスポーツの中に思いがけずそれを見い出せたことが、やけに嬉しく、感動的でもあった。
「あれ? この監督どっかで見たことある」
「名古屋にいたからね。ピクシーがいたとき、チームを強くしたのがこの監督」
「えーと、知ってる。ベンガル」
「ベンゲル」
 ケーブルテレビに加入しないとイングランドの試合は見られないというので、以来、僕はアーセナルのゲームがある夜、その友人の部屋に入り浸るようになった。
 
 ◆
 
 大学四年の秋、就職が決まった僕は、卒業制作を早々に片付け、当時付き合っていた彼女と一緒に暮らすための部屋探しをはじめていた。
 マホとは就職活動のセミナーで知り合った。偶然隣の席になり、情報交換のような感じで互いの話をしているうちに親しくなった。
 内定が決まったらお祝いをしようと約束し合い、僕の内定が決まった翌週にふたりでデートをした。彼女は僕よりも早く映像系の制作会社に就職が決まっていた
「佐藤くんって付き合ってる人いるの?」
「いないよ。そっちは?」
「私も今はフリー」
 そんな会話を経て、ある日、僕は彼女の部屋に招かれた。
「うちの親、田舎で定食屋やってんの。だから料理はけっこう得意だよ」
「へー、今度食べさせてよ」
「じゃあうち来なよ。肉と魚どっちが好き?」
「まあ肉だね」
 マホはワインが好きだと聞いていたので、僕はその日、成城石井で少し高価なスペイン産のワインを選び、手土産に持参した。
「お洒落なボトルだね。美味しそう」
 売場で三十分もかけて悩んで決めたワインだったから、彼女の反応がよくて嬉しかった。
「味のことは俺、全然わかんないけど、見た目で選んでジャケ買いしてみたよ」
「すごくセンスいい。さすがだね」
 マホのことを好きになった瞬間はいつか、と誰かに聞かれたら、僕は自分の選んだワインを褒められたあのとき、と答える。
 自分が美しいと思ったものを誰かに褒めてもらえる、審美眼を認めてもらえる、素敵さを共有してもらえる、それは僕にとっては、最も幸せな瞬間だ。
 
 マホとはその夜から付き合いはじめた。
 そして盛り上がったふたりは早くも、大学を卒業したらお互いの部屋を引き払って一緒に暮らそうと、新しい約束を交わしたのだった。
「じゃあ年が明けてから部屋探そうか」
「でも不動産屋に勤めてる友達が言ってたけど、一月とか二月になるとお客さんがどんどん増えて、いい部屋は次々決まっていくらしいよ。早いほうがいいかも」
「じゃあもう、来週から探しちゃう?」
「え、探しちゃう?」
 
 見つけたのは、京王線沿線の1LDKの部屋だった。少し狭いけれど、お互いの職場まで乗り換えなしで通勤できて便利だった。何より、その小ぶりのマンションは築浅で外観が美しく、ドアノブやベランダの手すり、コンセントカバーなどにいたるまで、ちゃんとコーディネートされていたのが気に入った。
「どうせ住むなら、ちょっと家賃が高くても、いいなって思える部屋に住みたいよね」
 マホもまた、美しいもの、センスのいいもの、お洒落なものが好きだった。
 それからというもの、僕たちのデートはもっぱらインテリアショップ巡りになった。
 新宿、渋谷、自由が丘、下北沢、代官山……家具や雑貨を揃えるだけでふたりとも学生時代の貯金が底をついてしまったけれど、ちっとも痛くはなかった。
「なんかさ、こんなキレイな部屋にふたりで暮らせるなんて、就活セミナーで出会ったときは想像もしなかったよね。私、今、すごい幸せ」
 マホの台詞はそのまんま、僕の気持ちでもあった。
「一生懸命働いて、いつかコンランショップで好きな家具買えるくらいになりたいよね」
「あー、それ最高だね」
「今はクッションひとつが限界だけど」
 玄関マットに赤と白のツートーンカラーを選んだのは、もちろん、ガナーズへのオマージュである。勇敢なアーセナルの選手がハイバリーのピッチに飛び出す、そんなイメージで、僕は毎朝このマットから出勤したいと考えたのだ。
「玄関に紅白ってのはどうかな…。ちょっと主張し過ぎじゃない?」とマホは首を傾げたけれど、「いや、調和を追い求め過ぎると美しさってのは抑圧されて息苦しくなるんだよ。どこかに自分のわがまま的な外しが必要なんだよね」と適当な理屈をつけてなんとか置かせてもらった。
「よくわかんないけど、いいよ。私もそのアーセナルとやらの一員になるよ」
 マホは寛大だった。彼女を失うことなんて、僕はそのとき想像もできなかった。
 
 引越があらかた完了した夜、僕とマホは近所の酒屋でワインを一本買った。
 大事な日にふたりで飲もう、と約束をして、時間をかけてその店で一番美しいボトルのワインを選び、冷蔵庫の奥にそっとしまった。
「この冷蔵庫、ワインが似合うね」
「でしょ、これにしてよかったでしょ」
 それは僕がずっと前にインテリア雑誌で見て一目惚れし、でもひとり暮らしのワンルームには似合わないからと我慢していた、モダンだけどレトロな雰囲気の冷蔵庫である。
 見れば見るほど、美しく、機能的で、合理的で、まるでアーセナルみたいな冷蔵庫  ゆるやかに丸みを帯びた輪郭は、両サイドを駆け上がるピレスとリュングベリを思わせた。どっしりとした底部の冷凍室は、ソル・キャンベルの安定感を。ドアの取っ手のお洒落さはベルカンプの気の利いた足技を。綺麗に並ぶ内側の棚はヴィエラとジウべウト・シウバのバランス感覚を。そして唯一の過剰な装飾部分と表現していいシルバーのブランドロゴが、この時代のアーセナルの象徴ともいえる、突出したアンリの決定力である。
 
 社会人としての春からの生活が待ち遠しかった。まるで当時のテレビドラマのワンシーンの中に、本当にふたりでいるみたいだった。
 
 ◆
 
 こんなはずじゃなかった、という想いが胸の内にふつふつと湧いてきたのは、いよいよその「社会人としての春からの生活」がはじまり、少し経ってからだった。
 新社会人のふたり暮らし。現実のそれは、僕が思い描いていたのとはだいぶ様子が違った。
 そもそも、僕らは生活の時間帯がまるで合わなかった。僕の仕事は朝から夕方、残業のあるときは夜まで。マホの仕事は昼前から深夜遅く、へたしたら明け方まで。僕の休日は暦通りの土日祝で、彼女の場合は不定期。
 せっかくふたりで暮らしているのに、一緒にいられる時間なんてわずかだった。
「しょうがないじゃん、私、今は現場についていくのに精一杯なんだから。とにかく迷惑かけないように、誰よりも早く行って最後までいなきゃいけないんだよ」
 僕が不満を口にすると、マホは最初は申し訳なさそうにしていたが、そのうち二倍の強さで苛立ちを返してくるようになった。彼女が配属された映像制作の現場には昼も夜もなく、新人はとにかく仕事をおぼえさせられ、こき使われるものなのだとマホは口を尖らせた。
 美しいはずの部屋は、気づくとマホの脱いだ服や下着、雑誌、化粧品、食べかけや飲みかけのコンビニ食で埋め尽くされ、それを僕が仕事から帰ってきて片付ける、ということがいつのまにか習慣化した。
 僕は僕で、最初は職場に慣れることでいっぱいいっぱいだったし、そこで与えられるのは「デザイン文具」のデの字にも触れられない、雑用仕事や営業の手伝いばかりだった。
 疲労とストレスを抱えて満員電車からほうほうの体で抜け出し、帰宅して、部屋が汚れていると頭に血が上ることも少なくなかった。
「ったく、片付けろや…」
「洗濯、回したら干していけよな…」
「あー、ご飯茶碗くらい水に浸けとけよ、かぴかぴになってんじゃん…」
 夏の盛りになると、彼女は職場に泊まり込んで部屋に帰ってこない日もあった。
 ひとりでリビングで過ごす夜、奮発して買ったソニー製のテレビの黒い画面がブラックホールのように不気味に感じられた。
「俺、サッカー好きじゃん。で、マホは映画が好きじゃん。だから、ケーブルテレビに加入してさ、サッカーと映画のチャンネルを契約するってどう?」
「いいね! それって録画し放題?」
「うん、プロテクトはかかってないよ」
「じゃあ、洋画のチャンネル契約したい。昔のヨーロッパの映画、見たいんだよね」
「そしたらちょっと高いけどワンサイズ大きいテレビにする?」
「うん、買っちゃおう!」
 そう言い合って買ったというのに、映画はまったく映らない。彼女が見たいと言っていたゴダールやフェリーニのタイトルを僕がビデオに予約録画しておいても、再生されないテープがただ増えていく一方だった。
 
「そういうの、もうやめてくんない?」
 ある朝、僕が部屋を出る前に帰宅したマホは、僕がビデオの予約をしているのを見て、苛立たしげに言った。
「別にいいよ、映画、録らなくて。なんていうかさ、せったく録ったんだから見ろって、押しつけられるみたいで嫌なんだよね」
「いや、そんなつもりじゃないんだけど。せっかく料金払ってるし、とりあえずストックしといたら休みの日とかに見れるし……マホが喜んでくれるかと思って録画してただけなんだけど」
「いやだからさ、そういうの、結局見ないじゃん。でもテープたまってくと、責められてるみたいで辛いんだよ。忙しくて見れないのしょうがないじゃん」
「でもせっかく……」
「だーかーらー、私、今いっぱいいっぱいなんだから余計なプレッシャーかけないでって言ってんの。てかさー、これ見よがしに私がいない間に部屋を綺麗に掃除されんのもムカつくんだけど」
「は?」
「私には私のペースがあって、自分の服くらい自分でしまうし、皿も洗うからさ」
「いや、しまってないし、洗ってないからかわりにやってあげてんだけど」
「それそれそれ! やってあげる、ってその感じがさあ、目障りっていうか、うざい」
「え、何その言い方」
 彼女のためにと思ってやっていたことをそんなふうに言われて、僕も腹が立った。
「誰がゴミ出しとか洗濯とか布団カバー替えたりとかしてると思ってんの? お前、洗濯機のスイッチ押すだけじゃん。干して取り込んでんの誰だと思ってんの? 俺だって仕事でいっぱいいっぱいなんだよ」
「別に頼んでないから。自分の洗濯くらい自分でやるから。てか、勝手に下着とか、がさつに洗われると嫌なんだよね」
「だったらやれよ!」
 ガシャン!
 頭に血が上った僕が床に叩きつけたのは、彼女の一番のお気に入りのロールストランドの皿だった。
「ああっ! 何してんだてめえ!」
 激情した彼女の金切り声を背中で聞きながら、僕は部屋を飛び出した。
 
 ふたりで暮らすって、こういうことなのか。仕事で忙しくて生活が合わないって、こういうことなのか。
「美しいものは脆いんだよ。ものは簡単に、割れたり、壊れたりするけど、美しいものはそれだけじゃなくて、人の気持ちがこめられてるから、もっと脆いんだよ」
 その夜、僕が部屋に帰ると珍しくマホが家にいた。割れた皿は片付けられ、キッチンもリビングもふたりの寝室も綺麗に整頓されていた。
「ごめんね。私、言い過ぎた。あんなこと言うつもりじゃなかったんだけど」
 素直にぺこりと頭を下げるマホを、僕はそっと抱きしめた。
「俺も、ごめん、割っちゃって」
 するとマホは言ったのだ。美しいものは脆いんだ、と。それは皿一枚の話ではなくて、僕たちふたりの関係そのものについてだった。
 僕らは美しくありたかった。愛情、価値観、趣味、肉体、スタイル、センス、すべてを共有するふたりでありたかった。でもそれはただの理想なのだった。
 こんなはずじゃなかった。そう感じているのは、マホも同じだった。
「ねえ、私、明日休みなんだけど、一緒に映画見ない?」
 僕らは久しぶりにソファで寄り添い、僕がマホのために録りためたビデオのストックの中の古いフランス映画を見た。
 『愛なんて、本や夢の中だけよ』
 その台詞を、僕はうつらうつら、船をこぎながら字幕で読んだ。彼女はそのとき、すでにぐっすりと寝入っていた。
 
 ◆
 
 夏の終わりからはじまったプレミアリーグの新しいシーズンは、アーセナルのためにあったと言っていい。
 マホは相変わらず仕事で忙しく、部屋でひとりで過ごす僕の夜の一番の慰みといえば、ハイバリーの映像だった。
 ベルカンプのボールタッチ、リュングベリやヴィルトールの果敢な突破、そして右利きのピレスがカットインする左サイド。アンリの左斜め四五度からのシュート。イェンス・レーマンの気性の危なっかしさにちょっと肝を冷やすところは、美しさに添えられたユーモアみたいなものだった。
 美しいものが勝つ。そのことは幸福だった。マホは間違ってる。美しいものは、儚くなんかない。脆くなんかない。けして負けないアーセナルの試合を眺めながらそう思い込むことは、幸せであり、同時にそれ以上の哀しみでもあった。
 
 マホが部屋を出て行ったのは、アーセナルがノースロンドンダービーで引き分けて無敗優勝を決める少し前だった。憧れの新しい暮らしがはじまって、ちょうど一年が経っていた。
 でもたった一年で、僕と彼女の関係は何もかもが変わってしまっていた。
 トッテナム戦を見終わった僕は、冷蔵庫を開けて、奥にしまわれたまま手つかずだったワインに腕を伸ばした。美しいボディとラベルの、特別な日に開けるはずだったワイン。
 数えるほどしか使わなかったバカラのワイングラスにそれを注ぎ、口をつけるとひどく苦かった。ちっとも美味しくなかった。現実の味がした。
 
 ◆
 
 インヴィンシブルズ  
 そのスペルを正確に綴れる自信はない。
 美しいものが勝つ、あの無敗優勝は、たぶん、奇跡だったのだろう。
 サッカーに訪れた次なるその機会は、ペップのバルセロナを待たなければならず、アーセナルの場合は、そのシーズンを最後にプレミアの優勝から遠ざかってしまった。アーセン・ベンゲルはチームを去り、そして時代は、美しく勝つサッカーを求めなくなった。
 数年後、家賃を払いきれなくなった僕は、アーセナルがハイバリーに別れを告げるより先に、マホと一緒に買った家具のいくつかを売り払って、その部屋から退去した。
 
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FOOTBALL SHORT NOVELS COLLECTION :
FOOTBALL AND LOVE SONG
Written by Masashi Fujita

memo

アーセナルの話になると、いまだに、まず頭の中で二十年近く前のメンバーが顔を揃えます。それ以降にも名選手はたくさん在籍したのに(セスク・ファブレガスやファン・ペルシー、エジル…)、やっぱりツートップはアンリとベルカンプ。そしてその背後でボールを操るピレス。逆サイドを駆け上がるリュングベリ、中央に構えるヴィエラとジウベウト・シウバ。後半途中から入ってくるヴィルトール。記憶の中では、中盤の底にプティも。むちゃくちゃ強かった、という印象よりも、しなやかで流動的で美しいサッカー。ちょっと薄暗いハイバリーの映像の中で、素早いカウンターが左サイドからあっさりと成功する。当時のプレミアのサッカーの泥臭さみたいなものが、このチームだけはなかった。ひと言でいえば、「洗練」されていた。まだ二十歳を過ぎたばかりだった僕は、アーセナルの中継映像を見ながら思ったのです。そのとき流行りはじめていた「デザイン家電」みたいなチームだと。機能がしっかりしていて、しかも見た目が美しい。そしてセンスのようなものを共感できないと、その調和の中に入れない。当時の感覚を思い出しながら、今回、書きました。